イベントリポート/川の始まりはどんなところ?/和歌山市民の森・源流体験学習会(奈良県川上村)|AGARA子育て応援ひろば

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イベントリポート/川の始まりはどんなところ?/和歌山市民の森・源流体験学習会(奈良県川上村)

2024/2/22
地域リポーター


最近、息子と「紀の川」について学ぶ機会がありました。

紀の川は全長約136キロメートル。
「大台ケ原」を源流として奈良県では「吉野川」、和歌山県に入ると「紀の川」と名前が変わり海へとつながっています。

川について学ぶ中で、息子に「山に雨が降って川となり、海に流れて、また雨になることを繰り返す」と水の循環について説明しました。

すると息子から「川の始まりってどんなところなの?」と質問が。

この質問にうまく答えられず、私自身も川の始まりを見たことがないと気づきました。

そんな時に和歌山市報で知ったのが、「和歌山市民の森づくり・源流体験学習会」です。
紀の川・吉野川上流の奈良県川上村にある「水源地の森」を散策するイベントで、私は「川について学べるよい機会だ」と思い、早速申し込みました。

危険生物対策は必須

学習会が開催されたのは10月。
わが家は9月下旬に、学習会に参加できるという通知を受け取りました。

資料には当日のスケジュールとともに、散策ルートには危険箇所があることや、危険生物についての注意を促す説明文がありました。

「ニホンマムシ」「オオスズメバチ」「ダニ類」「ヤマビル」と、よく耳にする危険生物たちです。

小学生たちに人気の高いサバイバルについて書かれた本を読むのが好きな息子は、「リアル、サバイバルだ!」と大喜び。

野外活動が苦手な私は、「危険なイベントに申し込んでしまった」と不安になりました。

でも源流の森に行くのは「手つかずの森に行く」ということ。
自然には危険がつきものですよね。

案内文を読み自分たちでできる対策をして、当日に備えました。

なぜ奈良に「和歌山市民の森」があるの?車内でお勉強

当日午前7時30分、和歌山市役所前からバスに乗って川上村へ出発。

到着するまで、和歌山市環境政策課の職員さんからのお話とビデオ鑑賞があり、川上村と和歌山市民の森について学びました。

・川上村は、「下流にはいつもきれいな水を流します」という思いのもと、1996年に「川上宣言」を発信して天然林の管理保全をしてきた。

・和歌山市は、川上村と「吉野川・紀の川水源地保護に関する協定」を結んで、水環境の保全、創出を図っている。

・市民の森は、伐採により荒廃が進んだ森を和歌山市が借り受け、和歌山市民が伐採などの山の仕事が体験できる場として活用しながら、森を守ってきた。

・かつて荒廃していた場所は、和歌山市民の森として約20年間整備してきたことで森が育ってきている。

どれも知らないことばかり。
紀の川の恩恵を受けているにもかかわらず、自分が不勉強であったことを知りました。

普段は入ることのできない水源地の森へ出発


出発から約2時間で、奈良県吉野郡にある「森と水の源流館」に到着しました。

源流館からはマイクロバス2台に分かれ、目的地に向かいます。
ガイドさんのおすすめ紅葉ポイントや、大台ケ原が望める場所などを通過して、森へと進んでいきます。

約1時間で、水源地の森の手前にある管理棟に到着しました。
ここでお手洗いを済ませます。

こちらのトイレは水を使いません。
便槽の中におがくずが敷き詰められていて、排泄後にボタンを押すと攪拌(かくはん)し微生物の力で分解、処理する仕組みになっています。
汚染水が、土壌や水をできるだけ汚さないようにするための仕組みです。


管理棟から再びバスに乗り、5分足らずで森の入り口に到着です。

ここから森に入るための準備をしました。
「ヤマビル」対策で、ズボンの裾を靴下の中に入れます。
これはヒルが衣類の中へ侵入するのを防ぐのではなく、ヒルが足元から上がってくるのをすぐに見つけるためだそうです。
次にヒル忌避剤を靴に振りかけます。

全員で体操をし、準備は万全です。


森に入る前に、神様にあいさつをします。
この水源地の森は、無断での入山は禁止です。
森と水の源流館が主催するガイドツアーを通じてのみ、入ることが許されています。


早速、森に入っていきます。
丸太の橋を渡って奥へ進んだ先に、500年以上前から手つかずの天然林がありました。
ここでは、森と森をつくる生き物たちを守ることを目的に、動植物の採取は禁止されています。

遊歩道として整備されたコースはありませんが、ガイドさんが安全に歩ける場所を案内してくれます。


森の奥には、川に近づくことができる場所がありました。

スタッフさんから「よどんでいない、きちんと流れている水」をくむように説明を受け、息子が持参していたペットボトルに水をくみました。

「この川が紀の川までつながってるの?」
「たどったら和歌山に帰れるってこと?」と話す息子。

私は「そうだよ」と答えながら、実感が湧きません。

しかしこの流れが吉野川、紀の川流域の多くの人たちの生活を潤していると考えると、改めてこの森を荒らすことや流れる水を汚してはいけないと思いました。

当日は午後から雨の予報であったため、予定よりも散策時間は短くなり、昼食を食べた後は森と水の源流館に戻ることになりました。

川上村が守っているもの

森と水の源流館に戻ってからは、再びガイドさんの案内で施設内を見学しました。
こちらでは、川上村の自然や歴史を知ることができます。

川上村は、日本の林業の発祥の地。
この地では、人工林を育てることで天然林を守ってきた歴史があります。
森を守るからこそ、水や周辺で暮らす生物たちも守れるのだそうです。

こちらは、川の周辺で見られる生物の展示です。
上流、中流、下流に生息している生き物の違いを知ることができました。

江戸時代中ごろの暮らしを再現しているブースもあり、川上村の人たちが森とともに生活してきた様子が分かります。
そのほか、施設内にあるシアターでは、四季を通した森の変化を記録した映像を見ることができました。

生き物の展示では、子どもが興味を持つように工夫がされていて、また訪れたいと思える施設でした。

施設見学後は近くの道の駅までバスで移動してお土産を買い、再びバスに乗車して午後6時ごろに和歌山市に戻りました。

水について子どもと話すきっかけ

帰宅後、森でくんだ水を煮沸して、留守番をしていた子どもたちと一緒に飲みました。
今回の学習会の内容は、小学生の息子には難しいところもあり、全ては理解できなかったと思います。
しかし、子どもたちと水や自然環境について話すきっかけができました。

学習会参加者には、和歌山市から「水切りゴミ袋」と「天ぷら油の吸収剤」「アクリルたわし」のお土産がありました。

お土産を参考に、自分の家から出す水についても考えていこうと思います。

このイベントに参加して、自分が住んでいる市が環境問題にきちんと取り組んでいることが分かり、誇らしい気持ちになりました。

学習会をきっかけに知ることができた、自然豊かな川上村。

ここでは、自然を生かした「氷瀑(ひょうばく)トレッキング」や「レイカヤック」などのアクティビティが体験できるそうです。

次回は、家族みんなで遊びに行きたいと思います。

基本情報
所在地(住所):「森と水の源流館」奈良県吉野郡川上村宮の平
連絡先電話番号:0746-52-0888
営業時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週水曜日(水曜日が祝日の場合は翌平日)
駐車場(台数):有り(20台)
利用料金:一般(高校生以上)400円
小・中学生200円
学校・教育機関100円
トイレの有無:有り

地域リポーター・神林 真衣