おでかけリポート/時にはゆっくりするのもいいものです/五郎地蔵寺坐禅会(田辺市下三栖)
2021/12/3
地域リポーター

田辺市下三栖にある五郎地蔵寺の本堂で開催される坐禅会に参加しました。剣道をしていたからか、お寺の修行をちょっと体験してみたいからなのか、自分でも理由はよくわからないのですが、以前から坐禅に興味があったんです。

人生初の坐禅会

ワクワク感が募り、10分ほど前に到着しました。テレビやCMなどで見ていたのでイメージトレーニングは完璧ですが、実際に体験するとなると自信がありません。

「坐禅するのは初めてなんです」と潔く宣言すると、住職さんが、お尻に敷く丸いクッションのような坐蒲(ざふ)の使い方や座り方、手の組み方などを丁寧に教えてくれました。なるほどなるほど、手の組み方は剣道の黙想と同じなんだ、などと思ってるうちに、参加者が続々と集まってきました。

14時半、坐禅会が始まりました。経本を頼りに般若心経を唱え、少しずつ心の準備を整えます。ゴーン、ゴーン、ゴーンという鐘の合図と共に、いよいよ坐禅の時間です。

「風が吹いて揺れる木も、風が止んだら元の姿」

住職の心地よい声が本堂に響きます。心がざわざわすることがあっても、ざわざわの原因が過ぎ去れば、また穏やかな自分に戻れるはず。いつまでも風が吹き続けることはないんです。ありがたい言葉が心に染み入りつつ、「この無音の時間、皆さんは何も考えずに過ごせるのかな」「住職さん、絶対に歌上手そう」「坐禅とヨガは似てるかも」「今日のお昼ご飯は食べすぎたな」など、いろんなことを考えているうちに、なんと、うたた寝をしてしまうという始末。

ちなみに、五郎地蔵寺の坐禅会では、肩を平らな棒でたたいていただく警策(きょうさく)は基本的にはありません。「お願いされたときだけ、愛を込めてたたきます」とのことです。

坐禅のあとは、まったりコーヒータイム

お寺の境内には、住職ご夫婦が営まれているカフェ「五郎庵」があります。一番人気はおはぎ。優しい甘さの粒あんと柔らかな餅米の相性がぴったり。お餅の部分だけほんのりと温めてくれていてほっこりします。コーヒーにも合います。

時間的には、カフェメニューのみでしたが、お昼時には精進料理がいただけます。一つ一つ丁寧に作られたお料理をぜひ味わってみてください。

今日もいい日でした

今回は、高齢のご夫婦から小学生くらいの女の子まで、総勢10人が参加。うたた寝したことを明かしても、「それだけリラックスしていたということですね」と優しい言葉をいただきました。初めての坐禅会。帰り際、夕日に染まる本堂がとてもきれいでした。

【基本情報】
五郎地蔵寺
住所:和歌山県田辺市下三栖514

五郎庵
住所:和歌山県田辺市下三栖514 五郎地蔵寺内
電話番号:0739-34-2896
定休日:木・金曜日 臨時休業あり
営業時間:11:00〜18:00(ランチは11:00〜14:00)
駐車場:7〜8台
Facebook:五郎庵
Instagram:goroan421

地域リポーター・福井 栄利子