お出かけスポット/カメさんを手のひらに「子ガメのタッチング体験」/串本海中公園
2025/6/26
地域リポーター

「大丈夫かな、どうか優しく優しく……」
娘がウミガメの赤ちゃんを手のひらで抱える様子を、祈るような気持ちで見守っていました。

海の生き物が大好きな子どもたちと一緒に訪れた、串本海中公園。
今回は初めて、「子ガメのタッチング体験」に参加させてもらいました。(毎日開催。生き物の状態によっては中止の場合あり)

「ウミガメの赤ちゃんにとってストレスにならないかな」と、正直心配でした。海外では、法律でウミガメを保護し、餌をあげることや2m以内に近づくことすら禁止している国もあるほど、繊細な生き物です。少し複雑な気持ちを抱えながらも、親子で参加させてもらいました。

娘は「ちょっと怖かった」と言いながらも、カメさんを優しく戻す様子に、思わず胸をなで下ろしました。子どもの小さな手で命の重みを体験させていただく、とても貴重な機会でした。

ウミガメとのふれあい

園内にある「ウミガメパーク」では、ウミガメの餌やりも体験。体重100kgほどあるカメさんが悠々と泳ぐプールで、「カメさーん、こっちだよ~!」と言いながら餌をあげていました。餌に気付いて食べてくれたり、気付かなかったり。カメさんがのんびりと餌を食べる姿がうれしかったようで、1時間ほどここを離れませんでした。

私も目の前に広がる絶景の海と潮風に癒されながら、ゆっくりウミガメを観察。「あんなに小さかった赤ちゃんガメが、こんなに大きくなるんだなぁ」と、改めて生き物の生きる力を感じさせてもらいました。

ふれあいを通して学ぶウミガメの命

串本海中公園でウミガメを触らせてもらってから、娘はウミガメがさらに大好きになりました。
絵本や図鑑を借りてきて子どもと一緒に読むことで、ウミガメが現在、絶滅の危機にあるということを私も初めて知りました。4歳の娘にとって、「絶滅」という言葉はまだ少し難しいようです。今は大好きなカメさんのことを、親子で少しずつ知っていきたいなと思うようになりました。

串本海中公園では、平成7年に世界で初めて人工飼育下でアカウミガメの繁殖に成功し、ウミガメの保護につなげるための研究が続けられているそうです。
「ウミガメの甲羅みがき」や、「発信機付きウミガメ放流」など、ウミガメを身近に感じられるイベントも開催されています。園内の「海中展望塔」や「半潜水型海中観光船ステラマリス」からは、自然に泳ぐウミガメに遭遇できることもあるとのこと。
また串本海中公園を訪れ、大好きなカメさんと触れ合わせてもらいながら、私も一緒に学んでいきたいなと思います。

基本情報
所在地(住所):和歌山県東牟婁郡串本町有田1157
連絡先電話番号:0735-62-1122(串本海中公園 代表)
営業時間:入場券販売時間9:00~16:00
定休日:  年中無休
駐車場(台数):あり(無料)200台
利用料金:大人 1,600円
小中学生 800円
幼児(3歳以上) 400円
※海中展望塔や海中観光船とのセット券あり
トイレの有無:有り

地域リポーター・渡辺