■雨の古道を楽しもう(5)写真撮影
2020/12/21
熊野古道コンシェルジュ
小雲取越の「賽の河原地蔵」です。雨の日を選んで撮影しました

雨の日の熊野古道はとても風情があり、ぬれた石畳や霧にかすんだ風景などは格好の被写体になります。一方で、雨中の撮影はうっとうしく、何よりもカメラを守らなければいけません。せっかくいい写真が撮れたと思ったのに、レンズに雨粒がついていて台無しということもあります。

土砂降りの雨の中、傘を差して撮影に向かいます。雨具の上下を着込み、カメラにはレインカバー、肩には三脚。どう見ても風采が上がらないおじさんです

雨中の撮影では、防水機能を備えたアウトドア用のコンパクトカメラが便利なのでしょうが、ウォークの記録写真ではなく作品づくりをするのなら、一眼レフやミラーレス一眼など画質の優れたカメラを持ち出すことになります。その際にはカメラの雨対策をしっかりしないと高価な機材を壊してしまいます。

一眼レフのカメラ

 

人それぞれに工夫していると思いますが、私は小雨程度だったら、薄いビニール袋の端をクリップでカメラのストラップに止め、レンズの先端に輪ゴムをします。具合がいいのは、雨の日に届く新聞を包んでいる袋。カメラバッグの中にはいつも、クリップと輪ゴム、ビニール袋のセットが入っています。

カメラ用のレインカバー。マジックテープで組み立てます

雨が強いときや長時間の撮影には、カメラ専用のレインカバーを使います。カメラや写真用品メーカーからさまざまなタイプが発売されていて、価格も千円前後の安いものから、1万円を超えるものまで幅があります。素材も透明のビニール製から撥水加工をした布製などいろいろです。手持ちの機材の大きさや予算、使う頻度によって選ぶことになります。

レインカバーを装着したところ。このカバーはストラップを外に出せるので、カメラを首から提げて歩けます

選定の際に注意しておきたいのは、カメラを首や肩から提げるストラップが使えるか使えないかです。市販のレインカバーの多くはストラップごとカメラを覆うタイプで、撮影まではカメラをリュックやバッグに入れて運ぶことになります。撮影場所があらかじめ決まっているのでしたらいいのですが、カメラをバッグにしまうと、道中でせっかくいい場面に出合えても、取り出すのがついおっくうになり撮り逃してしまいます。歩きながら「これは」という場面でシャッターを切るのでしたら、ストラップを外に出せるタイプがお薦めです。

 

ストラップを外に出せるタイプは、取り付け部の隙間からストラップを伝って雨水が染み込むので防水性は劣りますが、傘と併用すれば十分にカメラを守ることができます。