おすすめスポット(施設編)/あの大きな施設の正体は?紀の川のことを子どもと一緒に学ぼう/水ときらめき紀の川館(和歌山市)|AGARA子育て応援ひろば

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おすすめスポット(施設編)/あの大きな施設の正体は?紀の川のことを子どもと一緒に学ぼう/水ときらめき紀の川館(和歌山市)

2023/10/4
地域リポーター

これは、紀の川にかかる「紀の川大堰(おおぜき)」です。

「洪水の時に役に立つものだよね」としか思っていなかった私。
いつもこの横の道路を車で通っているのにもかかわらず、実は名前さえも知らなかったのです。

先日、このせきにある人工河川で行われた「鮎のつかみ取り」体験に子どもたちと参加しました。
その時に、人工的に造られた魚の遡上(そじょう)を邪魔しない魚道があることや、せきの役割について学びました。

ほかにどんな役割があるのかもっと知りたくなり、子どもたちと和歌山市有本にある「水ときらめき紀の川館」に出かけてきました。

意外なところでダムカードをゲット

入り口にはインターフォンが設置され、「ダムカードの配布について」の説明が記載されています。

ダムカードとは国土交通省などが発行してるもので、日本各地にあるダムの特徴を記しています。

ダムの訪問時にのみにもらえるもので、郵送で取り寄せることはできないものです(紀の川大堰では休館日でも配布しています)。

子どもたちは、山奥にあるダムに行かないともらえないと思っていたため、「ここでダムカードがもらえる!」とテンションが上がっていました。

配布名簿に氏名を記入して、1人1枚ずつゲット。

とっても得した気分です。

楽しみながら学べる施設内!みんなで紀の川博士になろう

施設内には紀の川に関する情報が盛りだくさん。
たくさんのコーナーがあり見応えがあります。

まず館内に入ると、モニターがお出迎え。
このモニターでは、春ごろのせきの様子を記録した映像を見ることができます。

たくさんの魚が遡上し、それを食べる鳥。
身近に行われている自然の営みを知ることができます。

進んでいくとパソコンが設置されていて、紀の川マップ、紀の川ものしり辞典、紀の川クイズの3つ項目が楽しめます。

さっそく息子がクイズにチャレンジ。
かなり難しい問題もあり、大人の私でも悩む問題もちらほら。

満点を取ると自分の名前を登録できます。
息子は何度も挑戦していました。

足元には、紀の川の河口から源流までをたどれる写真があります。
写真の中で川をさかのぼり始めた子どもたち。

「すごく遠くから川が始まっている!」と、川が隣の奈良県までつながっていることが分かり、その長さを実感していました。

また、紀の川大堰の「治水」「利水」「環境」の3つの役割について、図や映像を交えて説明されたパネルが展示されています。

さらに川を利用して生活をしてきた歴史や水害の様子が紹介されていて、川の流域ではその恩恵を受けながらも、常に災害と隣り合わせだった歴史を勉強できます。

こちらは2階にあるせきの監視と操作をする操作室で、窓越しから見学できます。
見学している間もずっと職員の方がモニターを観察されていました。

水族館に行った気分に!魚道観察室をのぞいてみよう

次は、施設外のせきにある「魚道観察室」に移動し、「人工河川式魚道」を見学しました。

階段を下りていくと魚道に沿って通路があります。
想像していたよりも立派な施設で驚きました。
まるで水族館に来たようです。

ガラス越しに川の流れを見ることができます。
この日はあいにく魚を見つけられませんでしたが、近くで魚を見られることが分かりました。

「ここを魚がたくさん通るのだね、飛び越えていくのかな」と想像して楽しむ子どもたち。

「次回は絶対に見たい」と来春の訪問を子どもたちと約束しました。

紀の川大堰から防災を学ぶ

この施設の日曜日の管理をされている「NPO法人きらめき紀の川」の藤上和男理事長にお話を伺いました。

「せきのおかげで支流の川があふれる『内水氾濫』が減って、安心して生活できるようになりました」と話される藤上さん。
この可動式のせきは珍しいことから、今でも他県から見学者が多く訪れるそうです。

大堰が私たちの生活に役に立っていることを地域の方に知ってもらいたいと、水ときらめき紀の川館を拠点にして、藤上さんはじめ多くの方が活動されています。

このような施設は、月日がたつとその恩恵を忘れてしまいがちです。
しかし、なるべく災害を減らせるように「せき」を造り、今でもそれを維持管理してくれている人がいるからこそ、紀の川の近くで生活できている。
お話を聞けて、子どもと一緒に、川の恩恵とせきの役割について学ぶことができました。

今年は「紀の川直轄改修100周年と紀の川大堰完成20周年」ということで、10月7日にイベントが行われます。

普段入ることができない、せき施設の内にある機械室の見学やライトアップ、完成20周年アニバーサリーカードの配布など特別なイベントが予定されています。

藤上さんたちもそのイベントのお手伝いをされるそうです。
機械室の見学は、「秘密基地に潜入するようで面白そう」と行く気満々の子どもたち。

大堰を知ることのできるこの機会に、ぜひお出かけしてみてください。

基本情報
所在地(住所):和歌山県和歌山市有本462
連絡先電話番号:073-423-2080
営業時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)
定休日:土曜日、祝日、年末年始(12月28日~1月4日)
駐車場:有
利用料金:無料
(公衆)トイレの有無:有
「水ときらめき紀の川館」

地域リポーター・神林 真衣