子育て応援団ブログ
お出かけスポット/重要文化財の建物にいろいろな時代のひな人形が大集合/公益財団法人琴ノ浦温山荘園(海南市)
「あかりをつけましょ ぼんぼりに おはなをあげましょもものはな」
今年で10年目の開催となる行事、「温山荘の雛(ひな)まつり」にひな飾りを見に行ってきました。大正後期から昭和時代のひな人形が一堂に会して、展示されています。
ひな人形と一言でいっても、時代によって顔の形や表情、衣装の生地が違っているため、一体一体じっくり見たくなります。
ここで展示されているひな人形は、人形の管理をしている方が旧家から預かったものや、海南駅に展示されていたもの、知人から借りたものが展示されています。
ひな人形のルーツとは?
ここで、簡単にひな人形について説明します。
ひな人形のルーツは諸説ありますが、一説では、紙で作られた人形(ひとがた)だと言われています。
この人形で厄を身代わりさせ、川や海に流すことで厄を落とすという風習は、源氏物語にも出てくるほど歴史が古いのです。
この風習は「流し雛」と呼ばれます。和歌山市加太にある淡島神社では、毎年3月3日に奉納されたひな人形を白木の舟に乗せ、海に流す神事が執り行われています。
現在のひな祭りは、女の子が生まれたときに、無事に成長することを願って飾られる人形へと変わりました。
小さくて丸いひな人形と、御所を模した館の中に内裏びなを置く御殿飾り
ダンスホール(主屋の一階)に展示されているひな人形からご紹介します。
小さくてころんとしたおひな様や、御所を模した館の中に内裏びなが飾られていました。
どれも初めて見るものばかりです。
大正中期ころから、小型のものや御殿飾りのセットが流行し始めたそうです。
立派な牛車と、打ち出の小づちも展示されていました。
登録有形文化財に指定されている主屋には、豪華絢爛(けんらん)なひな人形が大集合!
主屋では、いろいろな種類のひな人形がたくさん展示されています。
ダンスホールに展示されていたひな人形と比べてみても一目瞭然。
調度類が増え、色鮮やかになってきています。
そして、衣装もひとえだった物が十二単(ひとえ)に変わっていることに気づきましたか?
年代ごとに登場人物が増えたり、細かった目が少し大きくなったり、にこやかな表情に変わってきているのが分かると思います。
おひな様は、一人で一体すべてを作っているの?
私は「人形姫」(著:山本幸久)という小説を読むまで、ひな人形は一人の職人が一体すべてを作り上げているのだと思っていました。
しかし、違うのです。
頭師(かしらし)、織物師、小道具師、手足師、髪付師、着付師の5部門に別れた分業制なのです。
だからこそ、繊細な表現ができるのだなと感じました。
微笑みのおひな様
微妙な角度や明るさで、微笑みの表情が現れるそうです。
頭師の腕の見せどころと言えますね。
写真で撮った後の画面上で見る方が、微笑まれているようです。
私の写真のおひな様はどうでしょうか?
あなたも、おひな様の微笑みが見られる写真を撮ってみてください。
遊び心を感じる展示に魅了される
私は、お琴の上に五人囃子(ばやし)が乗っている展示方法に魅了されました。
遊び心を感じませんか?
五人囃子は太鼓、大鼓、小鼓、笛、謡で構成されています。
向かって右から、音の大きい順に並べられていたのをご存じでしょうか?
彼らには、女の子が元気に育つようにと応援の意味が込められています。
重要文化財に指定の浜座敷にもいろいろなタイプのおひな様が大集結
浜座敷では、年代ごとの違いを感じられる展示がされています。
顔の形、目の大きさ、衣装などをよく見ると違うことに気づくと思います。
真ん中の三人官女だけが結婚していると知っていましたか?
真ん中の官女は、よく見ると眉をそり、お歯黒をつけています。
これは昔、女性が結婚していることを表していたものです。
私は今回取材するまで、一人だけ結婚していることを知らなかったので、見ていて楽しかったです。
じっくり観察してみてください。
関西と関東で持ち物が違った「三人上戸」
一般的に、「笑い上戸」「泣き上戸」「怒り上戸」といわれる三人上戸。
今回の展示を見るまで、関西と関東で持ち物が違うことを知りませんでした。
関西では、ほうき、ちりとり、熊手です。
関東では、日傘、くつ台、雨傘を持っています。
大庭園にいる隠れおひな様を探そう
大庭園のいろいろなところに、石に描かれたおひな様が置かれています。
探しながら散策するのも楽しいのではないでしょうか?
ぜひ、お子さんと探しながら歩いてみてください。
この記事を参考に、お子さんにひな人形について説明しながら巡ってみてくださいね。
基本情報
所在地(住所):和歌山県海南市船尾370
連絡先電話番号:073-482-0201
営業時間:9:00~17:00(入園16:30まで)
定休日:月曜日(祝祭日の場合、翌火曜日休園)、12/1~2月末日
駐車場(台数):有り(約30台)※和歌山県立自然博物館の看板に沿って曲がったところにあります。
駐車場料金:(1回につき)障害者同乗車 無料、大型(観光)バス 1,000円
マイクロバス 800円 普通乗用車 300円、軽自動車 300円
利用料金:シニア(65歳以上)300円、大人(大学生含む)400円(20名以上 300円)、高・中・小学生200円(20名以上 150円)、障害者
無料(付き添いの方1名のみ料金は200円)
建物見学料:(主屋・浜座敷、2棟見学できます)1名につき100円
※「温山荘のひな祭り」は無料で見学できます
トイレの有無:有り
HP:https://www.onzanso.or.jp/
注意事項とお願い:ペットを連れての園内入場は不可(盲導犬、聴導犬は除く)
地域リポーター・大畑 いずみ
AGARA子育てニュース
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