お出かけスポット/個性豊かな「海の中」を散歩してみよう!加太大壁画/和歌山市|AGARA子育て応援ひろば

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お出かけスポット/個性豊かな「海の中」を散歩してみよう!加太大壁画/和歌山市

2025/11/27
地域リポーター

和歌山市の北西部に位置する加太(かだ)。
そこには、防波堤に描かれた大壁画があります。
描かれているのは、地元愛に溢れたカラフルで楽しい「海の中」。
遠く長く続く海の中の絵画。「この先にはどんな景色が広がっているの?」と、ワクワクする防波堤を散歩してみました。

心を掴まれた大壁画

加太は海と山に囲まれた漁師町で、万葉時代には「形見の浦」と詠まれた景勝地です。
この町の防波堤の一つに、総延長110mを超える壁画が描かれています。

和歌山市に住みながらこの壁画のことは知りませんでした。
SNSに多くの画像がアップされているのを見て、実物を見るために加太を訪れました。

次々と展開されるシーンが面白い

加太は、和歌山ICから40分ほどの距離です。
壁画がある防波堤は、流しびなや針供養で知られている「淡嶋神社」のすぐ近くにあります。周辺の駐車場に止めて、防波堤に向かいました。

壁画は防波堤の入り口付近から遠く延びていて、絵の先端がずっと奥に小さく見えます。
「絵の先まで遠いなー」
そう思いながら歩き始めました。

防波堤は、白と水色に塗られた大きなキャンバスです。水色の部分は海の中のようで、きれいに彩られた海中の景色にウキウキします。
そして、表れた「KADA」と書かれた大きな文字。「加太=かだ」とは、なかなか読めません。ローマ字で表記されていると、読み方がわかりますね。

一つ一つゆっくりと足を止めながら見学しました。いろいろな種類の魚、タコやイカ、サンゴや海藻など多くの生き物、恵比寿さまと思しき人物や竜、船や空を飛ぶ鳥まで登場します。

場面が切り替わるように、絵が変わることに気づきました。まるで絵画を一つ見終わり、新たな絵に移ったような感じ。画風や色使いが変わります。急に違う場面になり「なぜ?」とも思うのですが、統一制がないところもユニークだなと感じました。

絵の後ろから波の音が聞こえ、より臨場感を感じます。とても遠いと思った距離があっという間。カラフルで楽しい絵に癒やされながら、壁画の先端に到着しました。

加太への思いが形になった作品

帰宅後、壁画ができた経緯を調べてみました。

2021年の秋「紀の国わかやま文化祭2021」が開催され、その一環で「カダハク」が行われました。歴史と文化、自然の豊かな資源を生かして、加太の魅力を発信するイベントです。
さまざまな取り組みがある中、加太に在住するアーティストが中心となり、防波堤に絵を描くワークショップが開かれました。テーマは「海の中」。そこに参加した人たちが思い思いに表現し、大壁画が完成したそうです。場面が急展開する謎が、やっと分かりました。

場面によって絵の感じが違うのは、描く人の個性の表れ。
「加太を盛り上げたい、豊かな海を守りたい」。
経緯がわかると、地元の人や参加した人の加太への思いが一層伝わってきます。

近年、海に漂流するごみが問題になっています。それによって海の生き物の安全や環境が脅かされている。
「私は、海や地域の環境を守る意識できてるかな?」と振り返るきっかけにもなりました。

多くの人にこの大壁画を知ってもらいたいと思います。
海水浴や釣り、神社の行事などでにぎわい、時期によっては大変混み合う場所です。ルールを守って訪れることも、地域への環境を守ることにつながりますね。

壁画付近に、トイレはありません。
防波堤は、外洋の波を穏やかにし港に侵入するのを防ぐ建造物ですが、歩く際には注意が必要です。お天気や波の状況、気温などを事前に調べ、安全に気をつけて訪れてください。

基本情報
所在地(住所):和歌山県和歌山市加太141-5

駐車場(台数):有料駐車場
トイレの有無:なし

地域リポーター・渡邉千穂