c.nagase「熊野古道ブログ」|AGARA熊野古道コンシェルジュ

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とがの木茶屋の紅葉

とがの木茶屋の紅葉 2023/12/2田辺市中辺路町野中にある熊野古道の休憩所「とがの木茶屋」周辺で紅葉が見頃を迎えています。

大イチョウが見頃に

大イチョウが見頃に 2023/11/20   田辺市中辺路町福定にある樹齢400年の大イチョウが見頃を迎えています。 市の天然記念物で樹高約25メートル、幹回り約6メートル。その姿は国道311号からも見えます。19日(日)には多くの見物客でにぎわっていました。 国道から大イチョウまでの道路は狭いので、車での通行は譲り合いが必要です。大イチョウの前を通り過ぎた右側に駐車場があります。 黄葉の進み具合によりますが、12月上旬までが見頃。落葉が始まると周囲は黄色いじゅうたんを敷き詰めたようになり、秋の深まりを一段と感じさせます。

阿弥陀寺(那智勝浦町)でリンドウが見頃

阿弥陀寺(那智勝浦町)でリンドウが見頃 2023/10/21 世界遺産に登録されている那智勝浦町の妙法山阿弥陀寺でアサマリンドウが見頃を迎えています。 リンドウが群生しているのは、平安時代の僧、応照上人が読経しながら自らの体を焼いて仏にささげたという「火生三昧(かしょうざんまい)跡」の周辺。 今年は暑い気候が続いたせいか、花が少なめということです。それでも朝から、写真愛好者や山野草が好きな人たちが次々に訪れ、青い可憐な花を愛でていました。

道湯川の新緑を訪ねる

道湯川の新緑を訪ねる 2023/5/29 久しぶりに、熊野古道・中辺路ルート、小広峠~三越峠間にある道湯川(どうゆかわ)を訪ねました。 今はちょうどサツキの季節。湯川川に架かる橋のそばには赤いサツキが咲き、新緑に映えます。 今回は写真撮影のためずるをして、蛇形地蔵の参道(林道)をバイクで走りました。あらぬ方向から下りてきた来訪者に、古道を歩いていた人は少々驚いていました。 林道の途中にはコアジサイが咲いていました。同じ野生のアジサイでも、ヤマアジサイのような装飾花がないのが特長です。

那智山の桜が見頃に

那智山の桜が見頃に 2023/3/20那智山で早咲きのしだれ桜が見頃を迎えています。 ソメイヨシノなどその他の桜もつぼみを膨らませており、これから4月上旬まで楽しめそうです。 那智山は雨の日には霧が立ち込め、とても風情があります。 雨の世界遺産を楽しんでください。

とがの木茶屋の紅葉

とがの木茶屋の紅葉 2022/11/21熊野古道の紅葉の名所、とがの木茶屋の紅葉は来週が見頃になりそうです。これは夕方の写真。一方杉の側から定番の写真を撮るのは午前中の日差しが適しています。 茶屋と秀衡桜の間にあるモミジは20日現在、紅葉真っ盛りでした。

湯の峯温泉でハギが見頃に

湯の峯温泉でハギが見頃に 2022/9/17田辺市本宮町の湯の峯温泉で旅館「あずまや」のハギが見頃を迎えました。 湯の峯温泉の秋の風物詩。白と紅のハギが幾重にも重なって垂れ下がる様は見事です。 敬老の日の3連休は、台風の接近であいにくの天候。それでも、雨に濡れるハギも情緒があります。

ササユリが見頃に

ササユリが見頃に 2022/6/21熊野古道沿いで、ササユリが見頃を迎えています。 はるばる熊野を目指した巡礼が、初めて熊野本宮大社の姿を見て伏して拝んだという伏拝王子。数輪のササユリが泉式部供養塔に寄り添うように咲いていました。 梅雨に入りぐずついた天気が続きますが、雨にぬれたササユリも風情があります。  

野長瀬家のシダレザクラが見頃に

野長瀬家のシダレザクラが見頃に 2022/3/28   田辺市中辺路町近露にあるサクラの名木「野長瀬家のしだれ桜」が見頃を迎えています。 樹齢300年近いこのサクラは熊野古道沿いにあり、江戸時代から多くの参詣者を見守ってきました。 今年はつぼみの数が少なめで、枝先にはやや元気がありません。 それでも、熊野古道沿い屈指の名木は見る者を圧倒します。 この季節は、野長瀬邸の庭からも見学することができます。 枝に触れたりせずに、大切にしてください。  

古道に雲海の季節

古道に雲海の季節 2021/9/13秋の訪れとともに、熊野古道が雲海の季節を迎えました。 雲海を見ることができるのは、田辺市中辺路町栗栖川の「潮見峠越」や、中辺路町高原の「霧の里休憩所」、本宮町の三越峠などです。 潮見峠の雲海 潮見峠のビューポイントは、峠から700mほど栗栖川方面に下った市道沿いのあります。日の出の時刻より10~15分遅れて、正面の山並みから朝日が顔を出します。その日の気象条件により、雲海や空の色は千差万別で、何度通っても飽きることがありません。 市道は狭く、ビューポイントの駐車スペースも数台分しかないので、軽自動車の利用をお勧めします。 高原の雲海 高原からの眺望は、日の出の時刻から30分~1時間ぐらいたっても楽しめます。 雲海に出合える条件は、昼夜の寒暖差が大きくて湿度が高く、風が穏やかな早朝。高原では、ヒガンバナやコスモスの時季に季節感あふれる写真を撮ることができます。  

水害から復旧した「赤木越」分岐点

水害から復旧した「赤木越」分岐点 2021/4/262018年8月下旬の水害で通行止めになっていた、田辺市本宮町三越の熊野古道「赤木越」分岐点がこの4月から復旧しました。 ■紀伊民報記事 古道の本来ルート復活 田辺市本宮町三越、台風被害から2年半 分岐点は、三越峠~発心門王子のルートと、湯の峰温泉からの赤木越ルートが交わる場所です。ここが通れなかったたため、古道歩きの際に大きな迂回が必要でした。 被災した場所は、熊野本宮大社の旧社地・大斎原(おおゆのはら)まで流れる音無川の上流で、初夏は新緑、秋には紅葉が美しい場所です。 通行が再開されたので行ってみると、当たりの景色は一変していました。よほど大きな災害だったのでしょう。

ミツバツツジの花少なく(長井坂)

ミツバツツジの花少なく(長井坂) 2021/4/21すさみ町内の大辺路「長井坂」がミツバツツジの季節を迎えましたが、今年は花が少なく、残念ながら「ツツジの回廊」は楽しめませんでした。 2021年4月21日現在の情報です。 古道から少しはずれた場所には満開の木もありましたが、例年「回廊」になる場所にはほとんど花がありません。つぼみも少なく、このままシーズンを終えそうです。 また、道を盛り上げた「版築」のところにも早めに咲く木がありますが、こちらも花が少ないまま盛りを過ぎたようです。花びらもほとんど落ちていませんでした。 参考に、花が多かった2018年の写真も添えておきます。 来年はこのような景色が見られるといいですね。  

オカフジが見頃

オカフジが見頃 2021/4/16上富田町岡の田中神社は、熊野古道・八上王子と稲葉根王子の間にあります。 その名の通り、こんもりとした神社林が田園風景の中にぽつりとあります。 この神社林には薄紫色の花を咲かせるフジがあり、世界的な博物学者南方熊楠はその優雅な姿から「オカフジ」と命名しました。実際にはヤマフジだそうですが、ほかのフジとは色合いが異なります。 かつて、神社林を覆うように花を咲かせていましたが近年は衰弱が目立ち、鳥居横の大きな株は昨年から樹木医の手当を受けています。ぜひとも樹勢を回復してほしいものです。 6月になると隣接するハス田では「古代ハス」と呼ばれる大賀ハスが大輪の花をつけます。その時季には、ハスの花の情報をお届けします。

那智山の桜

那智山の桜 2021/3/22那智山青岸渡寺の境内には、三重の塔と那智の滝を望む展望地があります。「満開の桜と那智の滝」の写真を一度は撮りたいと思っていましたが、なかなか機会に恵まれず、今年、ようやく念願がかないました。 天気は、前線の通過で荒れ模様という「絶好」の予報。那智に向かう途中の紀勢自動車道では時折、前が見えないほどの風雨がたたきつけました。那智山に到着するころには小降りになり、傘を差しながらの撮影になりました。 わき立つ霧で刻々と変化する滝の姿を見ながらシャッターを切り続けました。 写真は熊野古道ギャラリーに掲載しています。

ミツマタの群生

ミツマタの群生 2021/3/17熊野古道・中辺路の大雲取越ではこの時季、黄色い花を咲かせるミツマタの群生を見ることができます。 かつて和紙の原料に使われた植物なので、ここで栽培されていたものがその後野生化したのでしょうか。古道沿いでミツマタの群生が見られるのはここだけです。 大雲取越は中辺路最大の難所ですが、ミツマタがある場所は大雲取越に差し掛かってから5分ほどなので気軽に行くことができます。 小口自然の家に車を止めて、歩くのがお勧めです。時間に余裕のある人はさらに15分ほど歩いて、古道の名所「円座石(わろうだいし)」を見学するのもいいでしょう。

古道とクマノザクラ

古道とクマノザクラ 2021/3/9紀伊半島南部の山地では3月上旬から中旬にかけて、野生の桜としては100年ぶりに新種に認定されたクマノザクラを見ることができます。そのタイプ標本木があるのが古座川町池野山。大辺路の「八郎峠ルート」のすぐ近くです。今シーズンはすでに盛りを過ぎましたが、春の古道歩きの際にはぜひ立ち寄ってください。 ▼和歌山県街道マップ「八郎峠ルート」

熊野三山 3色のポスト

熊野三山 3色のポスト 2021/1/17熊野三山にはそれぞれ、変わり種のポストがあります。 JR那智駅に設置されている黄色いポストは「幸せのポスト」と言われていて、那智だけでなく宮崎や鹿児島、奈良県にもあるそうです。 新宮市の熊野速玉大社近くに設置されているのは青いポスト。こちらはモニュメントなので投函はできません。 そして、熊野本宮大社の社務所前にあるのが真っ黒な八咫(やた)ポスト。ポストの上で羽ばたいているのは、熊野の導きの神である八咫烏です。もちろん正式なポストなので毎日集配されています。 熊野三山に参拝した折には、三色のポストを探してみてください。  

凍りついた水車

凍りついた水車 2021/1/9この冬一番の寒波で、田辺市中辺路町高原の「霧の里休憩所」から見える観光用の水車が凍り付きました。回りながら少しづつ凍っていくのでしょう。まるで歯車のようなつららが水車にまとわりついています。

■雨の古道を楽しもう (6)雨の日にお薦めの場所

■雨の古道を楽しもう (6)雨の日にお薦めの場所 2020/12/25 雨の日の古道歩きは、正直、うっとうしくもあります。雨具を着込んで急坂を登れば冬でも蒸れるし、足元の石畳は滑るし、カメラがぬれて壊れたこともありました。それでも、晴れた日とは違う古道の景色は印象深いものです。雨で出合った景色をいくつか紹介します。 ○大雲取越・亡者の出会い 大雲取越ルートの舟見峠に近い「亡者の出会い」は霧が立ち込めやすく、雨の日には1人で歩くのが怖いほど雰囲気があります。一方で、新緑の季節のツツジははっとする美しさ。霧が立ち込めた日に写真を撮ったら、偶然ハイカーが写っていました。  ○霧の里 高原 かつて熊野古道の宿場として栄えた田辺市中辺路町高原は棚田が広がり、季節を問わず雨が似合います。車で休憩所まで上がることができるので、写真撮影も楽です。 高原熊野神社の社殿は古道沿いに現存する神社建築としては最も古く、こちらも雨の日には趣があります。   ○近露王子の落葉 雨の王子社では時に、思いがけない光景に出合うことがあります。晩秋の近露王子。落葉が木のベンチを彩っていました。   ○那智大滝 那智の滝は、雨の日には霧が立ち込めます。霧の流れによって変化する景色を楽しみながらシャッターを切ります。 ○霧のかけぬけ道 熊野那智大社・那智山青岸渡寺と妙法山阿弥陀寺を結ぶ古道が、世界遺産に登録されている「かけぬけ道」です。那智高原を経由する周遊コースがあるので、那智山または阿弥陀寺、那智高原に車を置いてぐるっと歩くことができます。  

■雨の古道を楽しもう(5)写真撮影

■雨の古道を楽しもう(5)写真撮影 2020/12/21雨の日の熊野古道はとても風情があり、ぬれた石畳や霧にかすんだ風景などは格好の被写体になります。一方で、雨中の撮影はうっとうしく、何よりもカメラを守らなければいけません。せっかくいい写真が撮れたと思ったのに、レンズに雨粒がついていて台無しということもあります。 雨中の撮影では、防水機能を備えたアウトドア用のコンパクトカメラが便利なのでしょうが、ウォークの記録写真ではなく作品づくりをするのなら、一眼レフやミラーレス一眼など画質の優れたカメラを持ち出すことになります。その際にはカメラの雨対策をしっかりしないと高価な機材を壊してしまいます。   人それぞれに工夫していると思いますが、私は小雨程度だったら、薄いビニール袋の端をクリップでカメラのストラップに止め、レンズの先端に輪ゴムをします。具合がいいのは、雨の日に届く新聞を包んでいる袋。カメラバッグの中にはいつも、クリップと輪ゴム、ビニール袋のセットが入っています。 雨が強いときや長時間の撮影には、カメラ専用のレインカバーを使います。カメラや写真用品メーカーからさまざまなタイプが発売されていて、価格も千円前後の安いものから、1万円を超えるものまで幅があります。素材も透明のビニール製から撥水加工をした布製などいろいろです。手持ちの機材の大きさや予算、使う頻度によって選ぶことになります。 選定の際に注意しておきたいのは、カメラを首や肩から提げるストラップが使えるか使えないかです。市販のレインカバーの多くはストラップごとカメラを覆うタイプで、撮影まではカメラをリュックやバッグに入れて運ぶことになります。撮影場所があらかじめ決まっているのでしたらいいのですが、カメラをバッグにしまうと、道中でせっかくいい場面に出合えても、取り出すのがついおっくうになり撮り逃してしまいます。歩きながら「これは」という場面でシャッターを切るのでしたら、ストラップを外に出せるタイプがお薦めです。   ストラップを外に出せるタイプは、取り付け部の隙間からストラップを伝って雨水が染み込むので防水性は劣りますが、傘と併用すれば十分にカメラを守ることができます。

■雨の古道を楽しもう(4)傘は意外に快適

■雨の古道を楽しもう(4)傘は意外に快適 2020/12/1雨具を着込んでの古道歩きは、どんなに透湿性に優れたウエアでも、真冬でのない限り汗をかきます。特に初夏から真夏、秋口にかけては気温も高く、雨はしのいだものの衣服は汗でぐしょぬれということもあります。  そんな時に役に立つのが傘です。「山歩きに傘なんて」と思うでしょうが、アウトドア用品メーカーからもトレッキング用の軽量の傘がいろいろと発売されています。熊野古道には、両手を使ってよじ登らなければならないような岩場や急な斜面はありませんので、片手が傘でふさがっていても楽に歩けます。ただ、ストックは1本しか使えなくなるので、滑りやすい下り坂では注意が必要です。 傘のメリットは(1)雨具の上着を羽織らなくていいのでむれない(2)ザックがぬれるのを防げる(3)フードを被らなくていいので視界が広い――などです。傘を差しても下半身はぬれるので、レインパンツははいた方がいいと思います。  一方でデメリットは(1)ストックの2本持ちができない(2)風が強いと使えない(3)木の枝などに引っかかりやすい(4)すれ違いの際にじゃま(5)雨が強いとぬれる――などです。  傘は、雨の日の古道歩きを快適にしてくれる道具の一つですが、レインスーツに代わるものではないので、上手に使い分けたり併用したりしてください。  アウトドア用の傘はコンパクトで軽く、ある程度強度もあるので、旅行や出張の際に持ち歩くのにも便利です。1本用意しておいてはいかがでしょうか。  なお、雨の日の写真撮影には必ず傘を持参しますが、その際には軽量の折り畳みタイプではなく、柄の長いしっかりした傘を使います。

カエデの大木

カエデの大木 2020/11/21 田辺市中辺路町高原の霧の里休憩所から近露方面に20分ほど古道を登った所にカエデの大木があります。樹齢はどれぐらいあるのか、私には想像もつきませんが、幹の太さが二抱えほどもあるカエデは他に知りません。 紅葉の季節にはその一角だけが赤く色付きますが、今年はまだ早過ぎました。今月末か12月上旬に出直します。

■雨の古道を楽しもう(3)雨具の洗濯

■雨の古道を楽しもう(3)雨具の洗濯 2020/11/20 雨具は、表面の汚れだけでなく、汗や皮脂でも防水透湿性素材の性能が損なわれるそうです。そのためメーカーではこまめな洗濯を推奨しています。洗濯方法は各メーカーのホームページなどに記載しているので、それに従ってください。特に注意する点だけ記載します。 ■柔軟剤は使わないで 洗剤は、防水透湿性素材専用のものか、中性洗剤を使ってください。使ってはいけないのは柔軟剤成分入りの洗剤。柔軟剤を使うと生地表面の撥水性が損なわれ、水を弾かなくなってしまいます。また、すすぎ洗いが足りずに洗剤が残っていると防水透湿性能が損なわれるので、すすぎはしっかりしてください。私はアウトドアショップで購入した専用洗剤で手洗いしています。 ■脱水もNG 洗濯機でやってはいけないのは脱水。雨具が水をさえぎって洗濯槽の排水ができなくなり、トラブルにつながります。ある程度水を切ってから、バスタオルなどで表面の水を吸ってやると干しやすくなります。  乾燥機があるのでしたら、熱を与えることで撥水性能が蘇ります。乾燥機を使わない場合、低温または中温で当て布をしてアイロンを掛けてください。熱処理をするのとしないのとでは撥水性能に大きな差が出ます。 熱処理をしても撥水性能が回復しない場合には、市販の撥水スプレーや漬け置き式の撥水剤で再度加工します。これまで使った経験では、スプレーは手軽に使えるのですが効果が弱く、あまり長持ちしないと感じるので、最近は漬け置き式を愛用しています。

■雨の古道を楽しもう(2)撥水と防水の違い

■雨の古道を楽しもう(2)撥水と防水の違い 2020/11/16 撥水(はっすい)と防水の違いは分かりますか。撥水は、ハスの葉のように布地の表面で水を玉のようにしてコロコロと弾く性質。防水は水を通さない性質です。一見同じように思えますが、布地は表面に撥水処理をすれば小雨程度は弾きますが、糸と糸の間に隙間があるので、強い雨に打たれたり長い時間雨の中を歩いたりしていれば水を通してしまいます。 ○透湿素材には撥水が重要 それでは、雨を防ぐのには防水素材があれば撥水性能はいらないのかというと、そうではありません。特に、透湿素材を使った雨具には、撥水性能がとても重要です。透湿性の防水素材は、雨具の中にこもった水蒸気を微細な穴を通して外部に放出しますが、その際に布地の表面がべったりぬれていると出口が塞がれ、湿気を閉じ込めてしまいます。結果として、せっかくの透湿性能が生かせず、雨具の中が汗でぬれてしまいます。 撥水加工をして販売されているアウトドアウエアやレインウエアは、新しいうちは気持ちよく水を弾きますが、使っているうちにだんだん弾かなくなり、やがて表面がべったりぬれてしまいます。 ○アイロンで撥水を回復 撥水性能を復活させる方法はいくつかあります。まず試してほしいのはアイロン掛けです。撥水加工は、熱を加えると回復する性質があるので、アイロンを低温~中温にセットして、当て布をしてアイロン掛けをします。衣類乾燥機やヘアドライヤーを使っても効果が得られます。アイロンを掛ける際には、ウエアの洗濯マークで使用できる温度を確認してください。 ○スプレーの利用は屋外で  アイロンを掛けても撥水性能が回復しない場合には、撥水加工そのものが劣化しているので、市販の撥水スプレーを吹いたり、漬け置き式の撥水剤を使用したりします。その場合も加工後に熱処理をすると効果的です。熱処理の応用で、雨を弾かなくなった雨傘の表面をドライヤーであぶると撥水性能が回復することがあります。一度試してみてください。  なお、撥水スプレーを吸い込むと肺の中に成分が付着して呼吸困難になる危険があるので、製品の注意書きに従って屋外で使ってください。私は撥水スプレーを使うときは風上に立ち、散布中は息を止めています。