お出かけスポット/個性豊かな「海の中」を散歩してみよう!加太大壁画/和歌山市|AGARA子育て応援ひろば

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お出かけスポット/個性豊かな「海の中」を散歩してみよう!加太大壁画/和歌山市

和歌山市の北西部に位置する加太(かだ)。
そこには、防波堤に描かれた大壁画があります。
描かれているのは、地元愛に溢れたカラフルで楽しい「海の中」。
遠く長く続く海の中の絵画。「この先にはどんな景色が広がっているの?」と、ワクワクする防波堤を散歩してみました。

心を掴まれた大壁画

加太は海と山に囲まれた漁師町で、万葉時代には「形見の浦」と詠まれた景勝地です。
この町の防波堤の一つに、総延長110mを超える壁画が描かれています。

和歌山市に住みながらこの壁画のことは知りませんでした。
SNSに多くの画像がアップされているのを見て、実物を見るために加太を訪れました。

次々と展開されるシーンが面白い

加太は、和歌山ICから40分ほどの距離です。
壁画がある防波堤は、流しびなや針供養で知られている「淡嶋神社」のすぐ近くにあります。周辺の駐車場に止めて、防波堤に向かいました。

壁画は防波堤の入り口付近から遠く延びていて、絵の先端がずっと奥に小さく見えます。
「絵の先まで遠いなー」
そう思いながら歩き始めました。

防波堤は、白と水色に塗られた大きなキャンバスです。水色の部分は海の中のようで、きれいに彩られた海中の景色にウキウキします。
そして、表れた「KADA」と書かれた大きな文字。「加太=かだ」とは、なかなか読めません。ローマ字で表記されていると、読み方がわかりますね。

一つ一つゆっくりと足を止めながら見学しました。いろいろな種類の魚、タコやイカ、サンゴや海藻など多くの生き物、恵比寿さまと思しき人物や竜、船や空を飛ぶ鳥まで登場します。

場面が切り替わるように、絵が変わることに気づきました。まるで絵画を一つ見終わり、新たな絵に移ったような感じ。画風や色使いが変わります。急に違う場面になり「なぜ?」とも思うのですが、統一制がないところもユニークだなと感じました。

絵の後ろから波の音が聞こえ、より臨場感を感じます。とても遠いと思った距離があっという間。カラフルで楽しい絵に癒やされながら、壁画の先端に到着しました。

加太への思いが形になった作品

帰宅後、壁画ができた経緯を調べてみました。

2021年の秋「紀の国わかやま文化祭2021」が開催され、その一環で「カダハク」が行われました。歴史と文化、自然の豊かな資源を生かして、加太の魅力を発信するイベントです。
さまざまな取り組みがある中、加太に在住するアーティストが中心となり、防波堤に絵を描くワークショップが開かれました。テーマは「海の中」。そこに参加した人たちが思い思いに表現し、大壁画が完成したそうです。場面が急展開する謎が、やっと分かりました。

場面によって絵の感じが違うのは、描く人の個性の表れ。
「加太を盛り上げたい、豊かな海を守りたい」。
経緯がわかると、地元の人や参加した人の加太への思いが一層伝わってきます。

近年、海に漂流するごみが問題になっています。それによって海の生き物の安全や環境が脅かされている。
「私は、海や地域の環境を守る意識できてるかな?」と振り返るきっかけにもなりました。

多くの人にこの大壁画を知ってもらいたいと思います。
海水浴や釣り、神社の行事などでにぎわい、時期によっては大変混み合う場所です。ルールを守って訪れることも、地域への環境を守ることにつながりますね。

壁画付近に、トイレはありません。
防波堤は、外洋の波を穏やかにし港に侵入するのを防ぐ建造物ですが、歩く際には注意が必要です。お天気や波の状況、気温などを事前に調べ、安全に気をつけて訪れてください。

基本情報
所在地(住所):和歌山県和歌山市加太141-5

駐車場(台数):有料駐車場
トイレの有無:なし

地域リポーター・渡邉千穂

お出かけスポット/雨の日のお出かけはいなむらの杜へ!乳幼児も見守りやすい図書館 /広川町

平屋でワンフロアだから安心!子どもを見守りやすい空間

「どこに子どもを連れて行こうか」と悩んだことはありませんか?
広川町にある「いなむらの杜」は「観光・地域交流センター」という名称ですが、メインは図書コーナーで乳幼児連れでもゆったりと過ごせます。

この施設の最大のメリットは、平屋かつワンフロアであること。
大人も子どももお互いの居場所を確認しやすいので、安心感があります。

カラフルなカーペットが敷かれている「おはなしコーナー」は、靴を脱いでリラックスしながら絵本を読めるスペースです。
さすがに、落ち着きのない1歳の娘のそばを離れることはできませんでしたが、4〜5歳のお子さんたちは、少し遠くで雑誌を読んでいるママに見守られながら、自由に過ごしていました。

館内はバリアフリーなので、ベビーカーでも問題なく移動が可能です。
また、授乳室にはおむつ替えスペースやごみ箱まで設置されているので、赤ちゃん連れの方も快適でしょう。

高い天井からは柔らかな自然光が降り注ぎ、木の香りがふんわり漂っていました。
「図書館だけれど開放感があって心地いいな」と感じる空間で、学生から年配の方までみんなの憩いの場になっていました。

絵本に飽きても大丈夫!心ゆくまで遊ぼう

絵本を存分に楽しんだ後は、「スタジオ」の中のキッズスペースで遊ばせてもらいました。
施設予約がないときは、誰でも利用できるように開放されているとのこと。
積み木や子どもキッチンなどもあって、娘は大興奮でした。

玩具の数はそれほど多くありませんが、それがちょうどいい。
「せっかく図書館に来たのだから、家にはない絵本を読んでほしい」と思うのは私だけでしょうか?
キッズスペースを満喫した娘は、絵本のコーナーに戻ってそこでまた数十分過ごしました。
2時間もあれば大人は十分楽しめるのですが、娘はまだ遊んでいたかったようです。
帰りはチャイルドシートに乗せるのに一苦労しました。

余談ですが、この施設は紀勢本線沿いにあるので、「パンダくろしお」にも出合えましたよ。
ご自宅から遠い場合はせっかくの機会なので、「稲むらの火の館」など周辺の街歩きも一緒にされることをお薦めします。

基本情報
所在地(住所):和歌⼭県有⽥郡広川町広873-1
連絡先電話番号:観光・地域交流センターいなむらの杜 TEL・FAX 0737-64-1753
開放日:⽕曜⽇〜⾦曜⽇ 9時30分〜19時00分、⼟・⽇・祝⽇ 9時30分〜17時00分
休館日:毎週⽉曜⽇、年末年始(12⽉29⽇〜1⽉4⽇)
駐車場(台数):有り
トイレの有無:有り
※図書の閲覧は自由、貸出は有田郡市内に居住の方のみ。

地域リポーター・土岐 文

お出かけスポット/お弁当と虫取り網を持って出かけよう!/大滝川森林公園(日高川町)

「お父さん、この虫かご持ってて!」
公園へ着くと、キャップを後ろ前にかぶり、虫取り網片手に公園の奥へ向かって走って行く男の子の姿が見られました。

場所は、御坊市内から車で20分ほど走ったところにある「大滝川森林公園」。駐車場には車が10台ほど止められるスペースがあり、普段は真妻山への登山客が利用する事が多いそうです。

私たちは日曜日に行ったのですが、車は2台しか止まっておらず、公園には先ほど会った親子連れと私たちの2組だけ。
「貸し切り状態やな、なんだかワクワクするね」と話しながらお散歩を開始しました。

公園へ1歩踏み込んで感じたこと、それは、
「自然豊かでありながら、ほどよく整備されている。そして緑に囲まれていてすっごく気持ちがいい!」ということでした。

公園の中を流れる小川には

自然豊かでありながら、程よく整備されていて安全。
私の感覚でいうと、遊具があってばっちり整備されている公園は、きれいで安全だけど、整い過ぎていてちょっともの足りなさを感じてしまいます。その点、この公園はちょっとした冒険が楽しめそうな公園なんです。

広くて緑豊かな広場には、敷物を敷いてお弁当を食べられるスペースがあり、木陰になるあずまやもあります。そして、すぐ近くを流れる小川に目を向けると、ちょろちょろと動く小さな生き物の姿が。私たちが見つけたのは5センチほどの小さなエビ。子どもの小さな手でも捕まえられそうなくらい、たくさん見つけることができました。

私もエビ採りに挑戦!
右手をおわんの形にして、勢いよくエビにふたをする感じで、なんとか1匹捕まえることができました。

視線を上に向けると、今度はトンボがたくさん飛んでいました。虫取り初心者の私でも、網を振り回せば1匹くらいは捕まえられるかも?!

思わず写真を撮りたくなってしまう映えスポットが

駐車場のすぐ近くにある「不動さん広場」には、ちょっとした“映えスポット”があります。
草が短く刈りそろえられた広場は、かわいらしいイノシシの親子のオブジェが4体並んでいたり、大きな傘がかわいいきのこのオブジェがあり、大人でも思わずワクワクしました。

大きなきのこ傘の下には、小さなキノコの椅子が4つ並んでいて、色もやさしいピンクでとてもかわいいんです。

「子どもをどんなふうに座らせたらかわいく撮れるかな?」と考える時間さえも楽しかったです。

この日は愛犬も一緒だったので、愛犬にはイノシシの親子の仲間入りをしてもらい、記念撮影しました。

私たちが訪れたのは新緑の季節でしたが、園内を散策していると、桜や紅葉の木がたくさん植えられていることがわかり、春や秋に訪れるのもよさそうだなと感じました。


まだまだ自然を満喫したい人には、公園の突き当たりにある赤い小さな橋を渡り、10分ほど歩いたところにある、“涼みの滝”へのお散歩もおすすめです。

道中で出会ったカエルさん、木の葉に隠れようとしているのか擬態しようとしているのか……?!とてもかわいらしかったです。

お弁当を持って運動靴を履いて

春は桜、夏は小川で水遊び、秋は紅葉と、季節ごとの楽しみがあり、訪れるたびに新しい発見がありそう。
広々とした空間と澄んだ空気の中で、子どもも大人も夢中になって遊び、リフレッシュできる――そんな時間が過ごせそうです。
お弁当を持って、動きやすい靴を履いて、家族で自然を満喫してみませんか?
1日たっぷり遊べそうです。

そうそう、トンボやカブトムシのオブジェもどこかに隠れています。
ぜひ、探してみてくださいね。

基本情報
所在地(住所):和歌山県日高郡日高川町山野1978
連絡先電話番号:0738-22-2041
営業時間:24時間営業
定休日:なし
駐車場(台数):あり
トイレの有無:あり

地域リポーター・佐田愛子

お出かけスポット/毎年訪れたい、春を告げる大好きな場所/紀州石神田辺梅林

春の気配を感じられるようになったころ、訪れたい大好きな場所があります。紀州石神田辺梅林です。
「天空の梅林」と称される標高300mの梅林は、眼下に一面の梅畑とその先に海が見渡せます。

大好きな梅の花咲く春の訪れ

一昨年和歌山県に引越してきて、初めて迎えた梅の季節。道行くだけで、あちこちで咲く梅の花を見て、これが「和歌山の春なんだ」と感動していました。せっかくなので梅の特産地を見てみたいと思い、紀州石神田辺梅林の開園期間最終日の前日に訪園。昨年は暖冬の影響で梅の花が早く咲き、訪れたときには花が全て散っていました。「残念だな」と思いながらも、梅林で暖かな春のお散歩を楽しませてもらいました。

梅の実の歴史的大不作であったということを知ったのは、収穫時期の初夏のこと。花が早く咲き、散った後に訪れた寒波やひょうの影響で、例年の約3割の収穫であったことを知りました。梅は暖冬だと不作になりやすいと聞き、今年は「梅が元気に育ってくれますように」と、祈るような気持ちで梅の季節を迎えました。

寒さが厳しく長かった今年の冬。梅の花が咲くのを「まだかな」と楽しみにしていました。今年こそは、「一目30万本」とうたわれる景色を見てみたいと思いながら、訪れたのは昨年と同じ閉園予定日の前日。しかし、今年は寒さの影響で、まだ2割ほどしか咲いていませんでした。田辺梅林の公式ホームぺージで開花状況を確認できるのですが、どうしてもはやる気持ちを抑えられずに先走ってしまい、また失敗。「まだ寒さが残る季節に、梅の花が咲くということは、特別なことなんだな」と改めて実感させてもらいました。

坂道を登って梅公園へ

昨年は子どもがまだ小さく、遊歩道を一緒に歩ける自信がなかったので、駐車場近くから梅林を楽しみました。今年は子どももたくさん歩けるようになったので、上り坂約10分と書かれた「梅公園」まで挑戦。遊歩道入り口に貸出用の木の杖があり、「大丈夫かな…」とちょっと心配になりましたが、子どもは「行く~!」とスタスタ坂道を上ってくれました。途中少し急な坂道もあり、「落ちないでね~」と言いながら手をつないで歩きました。

梅は水はけのよい急斜面に植えられると聞いていましたが、実際ここに立つと思わず足がすくみます。立っているだけでも精いっぱいなのに、この状態で落ち梅(樹上で完熟し、自然に落下した梅)を腰を屈めて拾うとは。梅農家さんへの敬意と感謝の気持ちでいっぱいになりました。

子どもと一緒に20分ほどかけて坂道を上り(私が一番ゆっくり…そして軽く息切れ…)、梅公園に到着しました。駐車場より少し標高が高い梅公園は、さらに絶景が広がっています。梅の花は少ししかありませんでしたが、菜の花がきれいに咲いていました。

梅公園では、「梅酒テラス」と書かれたかわいい看板を発見。田辺市ではなんと、「梅酒で乾杯条例」が制定され、観光スポットなどで梅酒や梅ジュースの普及を目指しているとのこと。絶景のなか、梅ジュースが大好きな子どもと一緒に「乾杯!」。たくさん歩いたので、梅の甘酸っぱさが喉に心地よかったです。

今年もまた降ったひょうの被害が相次いでいるというニュースに、心が痛みます。私には何ができるわけでもないですが、ここで見せてもらった景色を子どもと一緒に思い出にしながら、今年もまた梅ジュースと梅干し作りに励みたいと思います。

来年、紀州石神田辺梅林を訪れたときには、子どもはまた少し成長し、私よりはるか先を歩いているでしょう。子どもに置いていかれながら見る梅景色もまた、今からとても楽しみです。

基本情報

所在地(住所):和歌山県田辺市上芳養5057-2
開園時間:毎年2月上旬〜3月上旬頃
開園時間:9:00~17:00頃
駐車場(台数):梅林屋上駐車場 約20台、臨時駐車場 約50台(無料)
利用料金:無料
トイレの有無:有り

地域リポーター・渡辺

イベントリポート/心が動く、音楽の力/マーチングバンド「Starfish Band Activities」コンサート

「大人になっても、何かに夢中になれるんだ」
学生のころに味わったことがあるような、心がちょっと熱くなるような感覚。マーチングバンド「Starfish Band Activities(スターフィッシュバンドアクティビティーズ)」のパフォーマンスは、そんな気持ちを呼び起こしてくれます。

「南紀の台 yottette広場」で開催されたコンサートを、心待ちにしていた子どもと一緒に鑑賞しました。
屋外での開催予定でしたが、この日はあいにくの雨模様。普段は生産者さんの対面販売などの直売所となっている大きなイベントホールがコンサート会場となりました。室内ならではの足元から振動が伝わる大迫力の演奏で、音楽の魅力を全身で味わわせてもらいました。

子どもも大人も生き生きと取り組む姿が、心に響く

Starfish Band Activitiesは、紀南地域を拠点に活動するマーチングバンドです。子どもから大人まで、さまざまな年代の方が活躍しています。小学生から参加できると聞いていましたが、就学前のわが家の子どもより少し大きなお姉さんの姿を見かけて驚きました。大人と同じ衣装を身にまとい、フラッグを真剣に振る姿にただただ感動。娘もお姉さんたちの演技に釘付けでした。
子どもが大人と一緒に同じものを創り上げること、そして大人も子どもたちの成長を見守りながら一緒に頑張ること。普段の生活のなかで、こんな場になかなか出会えることはないのかなと思います。自分が住む地域の中で、こんなにも生き生きと活動されている皆さんの姿が、心にぐっときました。「私も何か頑張ってみたいな」と、火を灯してもらったような、そんな感覚を味わわせてもらっています。

音楽って楽しい!

演奏の途中には、観客も一緒に参加できる機会もありました。この日の会場である農産物直売所「よってって」にちなんで野菜や果物をリズムで表現。トマトは「タタタ」、野イチゴは「ンタタタ」と、音楽に合わせてみんなで手拍子しました。ちょっと難しかったですが、うまく音楽と合わせられたときには「楽しい~!」。思わず子どもと目を見合わせて一緒に笑っていました。
娘は大迫力の演奏をただただじっと鑑賞していましたが、帰宅後は、家にあったおもちゃの旗を振り、踊っていました。目の前で繰り広げられた、ちょっと上のお姉さんたちの演技が、子どもたちにとっても大きな刺激になったようです。


「見ている人に感動と癒しを!」
こんな思いを届けてくださるスターフィッシュの皆さん。心熱くなる気持ちを体験させていただき、本当にありがとうございました。じんわりと残る温かい余韻の中、私も私の一歩を頑張ってみたいなと、背中を押していただきました。
今度はフラッグのお姉さんたちに憧れる娘と、リズム感がないけれど音楽大好きな私も一緒に、体験会に参加してみたいなと思います!

基本情報
所在地(住所):「Starfish Band Activities」Seaca 事務局
和歌山県上富田町朝来1361-2クラブハウス
連絡先電話番号:0739-47-5711

地域リポーター・渡辺

お出かけスポット/おもいっきりアートを楽しむ「Art Party」/南紀の台Yottette広場

「テーマは、みんなが思う『和歌山』です。大胆に、思いきり自己表現してみましょう!」

南紀の台Yottette広場のフルーツ壁画の前で開催された「Art Party」。講師の先生は、この大きなフルーツ壁画を描いたぴかりん先生です。

以前、敷地内にあるフルーツ公園に子どもと訪れたときに、壁画を描いているぴかりん先生に出会いました。
下書きがなく、魔法のようにフルーツが浮かび上がってくる様子に、娘はくぎ付け。
「オリーブの実だよ。そこにある木は、オリーブの木なんだよ」と、ぴかりんさんが話しかけてくれました。

あまりにも夢中に見つめる娘に、絵の具に興味があるかなと思いながらも、
「家で絵の具は、なかなかやらせてあげられなくて…」
そんな悩みをぴかりん先生に打ち明けました。
すると、「今度アートのイベントをしようと思ってるんです。思い切りお絵描きしてもらえたらと思って」
ぴかりん先生からこんなお話をお伺いし、今回親子で参加させてもらうことになりました。
ぴかりん先生が描いた絵が大好きで、公園を訪れるたびに「お姉さん描いてたね〜」と立ち止まる娘。「オリーブ描く!」と、オシャレなことを言い出し、張り切っていました。

アートは心のギフト

「Art Party」のドレスコードは、汚れてもいい服です。
「白っぽい服は、絵の具がついてかわいいかも!」というチラシの一文にちょっとわくわくしました。ぴかりん先生が着ていたつなぎの服は、色とりどりのペンキでいっぱい!娘もぴかりん先生のお洋服を見て「かわいいね〜!」話していました。「思い切り汚してもらおう」と着せていった服ですが、「服に付いちゃった〜」と言いながら、少しずつ慎重に絵の具を使う娘。「思い切り」の体験を、なかなかさせてあげられてこなかったなと、ちょっと反省しました。

Art Partyでは、これまで見たこともない外国製の本格的な絵の具がずらり。鮮やかな色を20色ほどご用意くださり、まさにパーティーです!「どの色にしようかな」と選ぶ子どもの目も、宝石箱を見るかのようにキラキラしていました。

「絵は自分の内面的なものが出るんですよ。どんな色を選ぶのか、そのときの感情が絵に現れる。自分が好きなように描くことがいいんですよ」
深い色味を使ってぐるぐると絵を描き続ける娘を見て、そう声をかけてくださったぴかりん先生。
私は、子どもが好きなキャラクターを見よう見まねで、ちょっと微妙な絵が描けるくらいの腕前で、決して得意とはいえません。でも、自分が好きな色を使って、好きなように描いて、「楽しい!」と思うことができたら、それが全部正解なんだな。アートって、こんなに自由でいいんだな。ひたすらぐるぐると描き続ける娘の姿から、そんなことを感じさせてもらいました。

「アートは、うまい、下手ではなく、自己表現。心のギフト、ラブレターなんだよ」ぴかりん先生のアートへの思いが、心に響きました。
終了時刻まで2時間半、手を休めることなく、描き続けた娘。「時間を忘れて没頭できるってこういうことなんだ」と、こんなにも夢中になれる娘に少し、羨ましさも感じました。
「アートを通して出会う、小さな発見を大切にしてくださいね」。会が始まる前にそう話してくれたぴかりん先生の言葉は、私にとっても、大きな発見につながりました。
少し不安な気持ちもありますが、「家でも絵の具を使わせてあげたいな」、「子どもの『好き』を深めてあげられるといいな」と思っています。賃貸のわが家では、まだちょっと、勇気が必要ですけどね。

一人一人が描く和歌山が一枚の大きなキャンバスに

あちこちに描かれた愛らしいパンダたち。白良浜の海のようなスカイブルーに包まれ泳ぐ魚やイルカ。鮮やかなミカンやレモンなどのフルーツ。その間を伝うように行き交う小さな手形や大きな足形。
真っ白だった巨大なキャンバスが、みんなの愛おしい「和歌山」であふれていました。

転勤族のわが家はもうすぐ和歌山県を離れます。
初夏のまぶしい太陽のもと、爽やかな風に吹かれながらみんなで描いた、大きな大きな「和歌山」。この景色が鮮やかな色で、娘の心に刻まれていてくれたらうれしいなと思います。
そして娘にとって大切な故郷となった和歌山にいつか戻ってきて、大好きなこの場所をまた新しい視点で描ける日を、心から楽しみにしています。

基本情報
所在地(住所):和歌山県上富田町南紀の台63番3号
連絡先電話番号:0739-47-4711
営業時間:9:00~18:30
駐車場(台数):有り(500台)
トイレの有無:有り

地域リポーター・渡辺

お出かけスポット/カメさんを手のひらに「子ガメのタッチング体験」/串本海中公園

「大丈夫かな、どうか優しく優しく……」
娘がウミガメの赤ちゃんを手のひらで抱える様子を、祈るような気持ちで見守っていました。

海の生き物が大好きな子どもたちと一緒に訪れた、串本海中公園。
今回は初めて、「子ガメのタッチング体験」に参加させてもらいました。(毎日開催。生き物の状態によっては中止の場合あり)

「ウミガメの赤ちゃんにとってストレスにならないかな」と、正直心配でした。海外では、法律でウミガメを保護し、餌をあげることや2m以内に近づくことすら禁止している国もあるほど、繊細な生き物です。少し複雑な気持ちを抱えながらも、親子で参加させてもらいました。

娘は「ちょっと怖かった」と言いながらも、カメさんを優しく戻す様子に、思わず胸をなで下ろしました。子どもの小さな手で命の重みを体験させていただく、とても貴重な機会でした。

ウミガメとのふれあい

園内にある「ウミガメパーク」では、ウミガメの餌やりも体験。体重100kgほどあるカメさんが悠々と泳ぐプールで、「カメさーん、こっちだよ~!」と言いながら餌をあげていました。餌に気付いて食べてくれたり、気付かなかったり。カメさんがのんびりと餌を食べる姿がうれしかったようで、1時間ほどここを離れませんでした。

私も目の前に広がる絶景の海と潮風に癒されながら、ゆっくりウミガメを観察。「あんなに小さかった赤ちゃんガメが、こんなに大きくなるんだなぁ」と、改めて生き物の生きる力を感じさせてもらいました。

ふれあいを通して学ぶウミガメの命

串本海中公園でウミガメを触らせてもらってから、娘はウミガメがさらに大好きになりました。
絵本や図鑑を借りてきて子どもと一緒に読むことで、ウミガメが現在、絶滅の危機にあるということを私も初めて知りました。4歳の娘にとって、「絶滅」という言葉はまだ少し難しいようです。今は大好きなカメさんのことを、親子で少しずつ知っていきたいなと思うようになりました。

串本海中公園では、平成7年に世界で初めて人工飼育下でアカウミガメの繁殖に成功し、ウミガメの保護につなげるための研究が続けられているそうです。
「ウミガメの甲羅みがき」や、「発信機付きウミガメ放流」など、ウミガメを身近に感じられるイベントも開催されています。園内の「海中展望塔」や「半潜水型海中観光船ステラマリス」からは、自然に泳ぐウミガメに遭遇できることもあるとのこと。
また串本海中公園を訪れ、大好きなカメさんと触れ合わせてもらいながら、私も一緒に学んでいきたいなと思います。

基本情報
所在地(住所):和歌山県東牟婁郡串本町有田1157
連絡先電話番号:0735-62-1122(串本海中公園 代表)
営業時間:入場券販売時間9:00~16:00
定休日:  年中無休
駐車場(台数):あり(無料)200台
利用料金:大人 1,600円
小中学生 800円
幼児(3歳以上) 400円
※海中展望塔や海中観光船とのセット券あり
トイレの有無:有り

地域リポーター・渡辺